怒りと傷心

 カウンセリングの場において、a)家庭のことについて話すケースと、b)職場のことについて話すケースとで、自分がカウンセラーに対して抱く感覚が異ることに気がついた。a)の場合にはカウンセリングで受け入れられている感じをしっかり持てるのに対して、b)に関してはそういう感じが希薄である。
a)とb)の違いは何だろう。自分が抱くであろう感情に注目すると、
a)家庭→自分が傷ついたことがメイン。
b)職場→自分の怒りがメイン。
ということになる。いずれも、自分が{傷ついた,怒りを感じた}体験(自分が正当に扱われていない)という点で共通している。だが、「怒ることは悪いこと」という自動思考があるので、怒りの感情がメインのb)の場合、カウンセリングの場で自分の怒りを表明することへの後ろめたさのようなものがあって、それが原因でカウンセラーに共感してもらえないような感覚を持つのかもしれない。